【令和8年度診療報酬改定】がん患者リハビリの再入院は「初回」にならない?疑義解釈その12をわかりやすく解説
- 3 日前
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令和8年度診療報酬改定に関する「疑義解釈資料の送付について(その12)」で、リハビリテーションに関する重要な取扱いが示されました。
今回、特に医療機関が押さえておきたいのは次の3点です。
① がん患者が再入院・再手術しても、一連のがん治療中ならリハビリテーション総合計画評価料1は「2回目以降」
② 一連のがん治療について、同一医療機関で総合計画評価料1を一度算定していれば、再入院や手術後に必ず再算定する必要はない
③ 離床を伴わないリハビリの診療録・レセプト記載は毎日ではなく、原則として月1回を基本に管理できる
それぞれ簡単に見ていきます。
① がん患者が再入院しても「初回」には戻らない
まず重要なのが、
リハビリテーション総合計画評価料1
の取扱いです。
令和8年度の点数では、リハビリテーション総合計画評価料1は、
初回:300点
2回目以降:240点
となっています。
一般的な疾患別リハビリでは、新しい疾患の発症や再発、急性増悪などによってリハビリテーションの起算日が再設定され、新たに総合実施計画書を作成・評価した場合、
改めて「初回」
として算定できる場合があります。
しかし、
がん患者リハビリテーション料については扱いが違います。
がん治療が一連なら「2回目以降」
例えば、
がんで入院↓手術↓がん患者リハビリを実施↓退院↓その後、同じがん治療のため再入院↓再手術・追加治療↓再びリハビリ
というケースです。
この場合、
「再入院したから新しい初回」
とはなりません。
一連のがん治療を行っている期間中に、リハビリテーション総合計画評価料1を再度算定するのであれば、
「2回目以降の場合」として算定
します。
「入院単位」ではなく「一連のがん治療」で考える
ここが今回の最大のポイントです。
がん患者リハビリについては、
入院が変わったかどうか
だけで判断するのではありません。
重要なのは、
同じ一連のがん治療なのか
ということです。
つまり、
1回目の入院↓退院↓再入院
となっていても、
同一医療機関で同じ一連のがん治療が続いているのであれば、
リハビリテーション総合計画評価料1をもう一度「初回300点」で算定することはできない
という整理です。
再度算定する場合は、
2回目以降の240点
となります。
② 再入院・手術後に総合計画評価料1を必ず取り直す必要はない
次の問12は、さらに重要です。
がん患者リハビリテーション料を算定するためには、
「H003-2 リハビリテーション総合計画評価料1を算定していること」
が要件になっています。
そこで、
「患者が退院して再入院したら、また総合計画評価料1を算定しないと、がん患者リハビリテーション料を算定できないのでは?」
という疑問が生じます。
厚生労働省の回答は明確です。
再度算定する必要はありません。
同一医療機関で一度算定していればOK
一連のがん治療について、
同一医療機関でリハビリテーション総合計画評価料1を一度算定していれば、がん患者リハビリテーション料の要件を満たします。
例えば、
1回目の入院
がん手術↓総合計画評価料1を算定↓がん患者リハビリ実施↓退院
その後、
2回目の入院
追加治療・手術↓がん患者リハビリを再開
となった場合、
がん患者リハビリを算定するためだけに、総合計画評価料1を再度算定する必要はありません。
問11と問12は矛盾していない
ここは少し分かりにくいので整理します。
問11では、
「再度、総合計画評価料1を算定する場合」
について聞いています。
その場合は、
2回目以降として算定する。
一方、問12では、
「がん患者リハビリを続けるために再算定が必須なのか?」
と聞いています。
こちらは、
一度算定していれば再算定は必須ではない。
という回答です。
つまり、
必ず再算定しなければならない
ではありません。
しかし、
必要な評価を行い、改めて総合計画評価料1を算定する場合
には、
「2回目以降」として算定する
ということです。
一言で整理すると
初回入院
総合計画評価料1→ 初回
一連のがん治療で再入院
再度、総合計画評価料1を算定する→ 2回目以降
がん患者リハビリを再開
→ 総合計画評価料1を必ず再算定する必要はない
この3つを分けて考えると分かりやすくなります。
③ ベッド上リハの記録は毎日必要?
問13では、
離床を伴わずに行うリハビリテーション
の記録方法について示されました。
対象となるケースでは、
患者がベッド上から移動することが困難な医学的理由や、
長時間のリハビリテーションが必要な理由、
訓練内容などを、
診療録
診療報酬明細書の摘要欄
に記載する必要があります。
そこで、
「毎日リハビリを行うなら、毎日同じ内容を記載する必要があるのか?」
という疑問が生じます。
結論は、
毎日記載する必要はありません。
レセプトへの記載は「毎月」
診療報酬明細書については、
毎月記載
します。
つまり、その月に対象となる離床を伴わないリハビリを算定する場合には、レセプトの摘要欄へ必要事項を記載します。
診療録は「少なくとも月1回」
診療録については、
患者の状態に変化があった場合には、
その都度記載
します。
一方、
状態に特に変化がない場合でも、
少なくとも月1回
は記載する必要があります。
つまり、
「毎日同じ理由をカルテにコピーする」
必要はありません。
具体的にはどう管理すればいい?
例えば患者が、
「循環動態が不安定でベッドからの離床が困難」
という理由でベッド上リハを行っているとします。
状態が1か月間変わらなければ、
毎日同じ文章を書くのではなく、
少なくとも月1回、現在も離床困難である医学的理由と訓練内容などを記録
すればよいことになります。
ただし、
途中で、
病状が悪化した
離床可能になった
酸素投与量が変わった
循環動態が変わった
リハビリ内容が変更された
などの変化があれば、
その時点で随時記載する
必要があります。
レセプトとカルテでは記録頻度が違う
ここも重要です。
診療報酬明細書
毎月記載
診療録
状態変化時に随時
さらに、
状態変化がなくても、
少なくとも月1回記載
です。
つまり、
「毎日記載」ではない
ということが今回明確になりました。
ドクターエージェントの考察
今回の疑義解釈は、リハビリテーション部門だけではなく、医事課にとってもかなり重要です。
特にがん患者リハビリでは、
「再入院=新しい初回」
と機械的に判断すると、誤算定につながる可能性があります。
一般の疾患別リハビリでは新たな疾患や再発・急性増悪によって起算日が再設定され、「初回」を再び算定できるケースがあります。
しかし、がん患者リハビリについては、
「一連のがん治療」という単位で判断する
という考え方が今回明確になりました。
そのため、医事システム上も単純に「再入院」という情報だけで初回・2回目を自動判定するのではなく、
その患者のがん治療が一連の治療に該当するか
を確認する運用が必要になるでしょう。
がんリハ患者は「治療単位」で管理したほうがいい
例えば医療機関では、
患者名↓がん治療開始↓総合計画評価料1 初回算定日↓退院↓再入院↓一連のがん治療か確認↓再算定する場合は「2回目以降」
という形で管理しておくと分かりやすいでしょう。
重要なのは、
入院回数ではなく治療の連続性
です。
離床困難患者も月次確認の仕組みを
離床を伴わないリハビリについても、
今回、
毎日カルテ記載する必要はない
ことが明確になりました。
これは現場の記録負担を軽減する一方で、
「何も書かなくてよい」という意味ではありません。
状態が変わらなくても、
最低月1回の診療録記載
そして、
毎月のレセプト摘要欄への記載
が必要です。
そのため、
「月初または月末に対象患者を一覧で確認する」
など、リハビリ部門と医事課が連携したチェック体制を作ることが重要です。
まとめ
今回の疑義解釈その12で、リハビリテーション関連の取扱いがかなり明確になりました。
重要なポイントは次のとおりです。
① 一連のがん治療中の再入院・手術後に総合計画評価料1を再算定する場合は「2回目以降」
② 再入院だからといって「初回」に戻るわけではない
③ がん患者リハビリの要件としては、同一医療機関で総合計画評価料1を一度算定していればよい
④ そのため、再入院・手術後に必ず総合計画評価料1を再算定する必要はない
⑤ 離床を伴わないリハのレセプト摘要欄は毎月記載
⑥ 診療録は状態変化時に随時、変化がなくても少なくとも月1回記載
一言でまとめると、
「がんリハは再入院しても初回にリセットされない。ベッド上リハの記録も毎日ではなく月次管理が基本」
という今回の疑義解釈です。
リハビリ関連の診療報酬は「初回」「起算日」「再入院」「一連の治療」の考え方が混在するため、単純な入退院情報だけで判断せず、患者ごとの治療経過を確認して算定することが重要です。
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