【令和8年度診療報酬改定】CPAPは3か月のうち1か月でも平均1時間以上なら算定可能?疑義解釈その12を解説
- 3 日前
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令和8年度診療報酬改定に関する「疑義解釈資料の送付について(その12)」で、
「C107-2 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2」
について、CPAPの使用時間と算定可否に関する重要な考え方が示されました。
今回の結論は非常にシンプルです。
直近3か月のうち、1か月でもCPAPの1日平均使用時間が1時間以上であれば、ほかの月に1時間未満の月があっても算定可能です。
逆に注意しなければならないのは、
直近3か月すべてで、1日平均使用時間が1時間未満の場合
です。
この場合は、原則として在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2を算定できません。
今回の疑義解釈は何を確認した?
令和8年7月30日の事務連絡により、レセプトの記載事項について、
「直近3月のうちCPAP1日平均使用時間が1時間以上であった、いずれか1月のCPAP1日平均使用時間を記載する」
という取扱いが追加されました。
そこで問題となったのが、
例えば直近3か月が、
6月:平均45分
7月:平均1時間20分
8月:平均50分
だった場合です。
1時間以上使用しているのは7月だけです。
では、6月と8月が1時間未満なので算定できないのでしょうか?
答えは「算定可能」です。
「3か月平均で1時間以上」ではない
ここは非常に間違えやすいポイントです。
今回のルールは、
直近3か月を合計して平均1時間以上
という意味ではありません。
また、
3か月すべてで1時間以上使用しなければならない
という意味でもありません。
判断するのは、
直近3か月それぞれの月の1日平均使用時間
です。
その3か月の中に、
1日平均使用時間が1時間以上となっている月が1か月でもあるか
を確認します。
具体例で見るとわかりやすい
ケース①
4月:2時間10分5月:50分6月:40分
→ 算定可能
4月が1時間以上だからです。
ケース②
4月:45分5月:1時間5分6月:30分
→ 算定可能
5月が1時間以上です。
ケース③
4月:50分5月:45分6月:55分
→ 算定不可
3か月すべてが1時間未満だからです。
一言で覚えるなら「3か月全部1時間未満」がNG
医療機関の受付・医事課では、
「3か月のうち1か月でも1時間以上ならOK」
と覚えておくとわかりやすいでしょう。
逆に、
「3か月連続で全部1時間未満ならNG」
と考えれば、かなりシンプルです。
なぜこのようなルールになったのか?
CPAPは、機器を患者に貸与しているだけで治療効果が得られるものではありません。
実際に患者が、
CPAPを装着して睡眠すること
が重要です。
そのため令和8年度診療報酬改定では、CPAPの使用実績についても診療報酬上評価する考え方が強まりました。
つまり、
「機器を貸して毎月管理料を算定しているが、患者はほとんど使用していない」
という状態をそのまま評価するのではなく、
実際の使用状況を確認しながら治療を管理する
方向へ制度が変わったと考えられます。
ただし「1時間使えば十分」という意味ではない
ここは患者説明でも重要です。
今回の「1時間」という基準は、
診療報酬上の算定可否を判断する基準
です。
「1日1時間CPAPを使えば治療として十分」という意味ではありません。
CPAPについては、患者の睡眠時間や無呼吸の状態などを踏まえ、できるだけ睡眠中継続して装着することが治療上重要です。
したがって、
診療報酬上の1時間基準と、医学的に望ましいCPAP使用時間は分けて考える必要があります。
レセプトにはどの月の使用時間を書く?
今回の訂正では、
(3)のウに該当する場合、
直近3か月のうち1日平均使用時間が1時間以上だった、いずれか1月の使用時間
を記載することとされています。
例えば、
6月:45分7月:1時間30分8月:55分
であれば、
7月の「1時間30分」
を記載するという考え方になります。
つまりレセプト上でも、
「直近3か月の中に1時間以上使用している月があります」
ということが確認できる形になります。
CPAP開始直後の患者には別の取扱いもある
さらに注意したいのが、CPAPを開始したばかりの患者です。
今回の改定ルールでは、
当該保険医療機関でCPAP療法を開始してから3月以内の患者
については、この使用時間による算定制限について別の取扱いがあります。
そのため、
「CPAPを開始したばかりで、まだ3か月分のデータがない」
というだけで算定できなくなるわけではありません。
CPAP導入患者と長期継続患者を分けて管理することも重要です。
医療機関では「CPAP使用時間管理」が重要になる
今回の改定によって、CPAP外来を行う医療機関では、
単に患者が受診したかだけではなく、
実際にどれくらいCPAPを使用しているのか
まで確認する必要性が高まりました。
例えば院内では、
直近3か月のCPAP使用状況
各月の1日平均使用時間
1時間以上の月があるか
AHIなどの治療状況
マスクの装着状態
患者の自覚症状
などを確認できる仕組みを作っておくことが重要です。
ドクターエージェントの考察
今回の疑義解釈で一番重要なのは、
「1か月でも1時間未満なら算定できない」というルールではない
ことが明確になった点です。
令和8年度改定の文章だけを見ると、
「毎月1時間以上使わなければいけないのでは?」
と誤解する医療機関もあったと思います。
しかし実際の考え方は、
直近3か月すべてが1時間未満の場合に算定不可
です。
したがって、
直近3か月のうち、
1か月でも1時間以上の使用実績があれば算定可能
となります。
これはCPAP患者を多数管理している医療機関にとって、非常に重要な疑義解釈です。
これからは「3か月連続1時間未満」をシステムで拾うべき
実務上は、患者ごとに医事課が毎回3か月分を目視確認するのは大変です。
そのため、
「直近3か月すべて1時間未満の患者を抽出する」
仕組みを作ることが理想的でしょう。
例えば、
CPAPデータ↓直近3か月を確認↓1時間以上の月あり↓算定可能
一方、
CPAPデータ↓直近3か月すべて1時間未満↓算定要件を再確認↓医師へ共有
という流れです。
診療報酬改定によって、
CPAP機器を貸与する管理から、使用実績まで確認する管理へ
変わってきたと考えることができます。
まとめ
今回の疑義解釈その12で、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2のCPAP使用時間について重要な取扱いが明確になりました。
ポイントは次のとおりです。
① 直近3か月のうち1か月でも1日平均1時間以上なら算定可能
② 残りの月に1時間未満の月があっても問題ない
③ 直近3か月すべてが1時間未満の場合は原則算定不可
④ 「3か月平均で1時間以上」という意味ではない
⑤ レセプトには1時間以上だったいずれか1月のCPAP1日平均使用時間を記載する
つまり一言でいえば、
「3か月のうち1か月でも1時間以上ならOK。3か月全部1時間未満ならNG」
です。
CPAP患者を多数管理している医療機関では、今後は患者ごとの使用時間を適切に把握し、算定前に直近3か月のデータを確認する運用が非常に重要になります。
