【2026年診療報酬改定】初診料・再診料・外来管理加算はどう変わった?物価対応料も解説
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2026年6月1日に施行された令和8年度診療報酬改定では、物価高騰や医療従事者の賃上げへの対応が大きな柱となりました。
外来診療では、初診料は291点で据え置き、再診料は75点から76点へ1点引き上げられています。また、廃止や包括化を求める意見が出ていた外来管理加算は、52点のまま存続しました。
さらに、新たに「物価対応料」が設けられたため、クリニック経営では初診料・再診料そのものだけでなく、物価対応料を含めた実質的な収入変化を確認する必要があります。
本記事では、外来診療に関係する主要な変更点と、医療機関が確認すべき実務対応を整理します。
本記事は、2026年2月13日の中央社会保険医療協議会答申、令和8年厚生労働省告示第69号、厚生労働省の改定説明資料等に基づいて作成しています。実際の算定に当たっては、最新の告示、通知、疑義解釈をご確認ください。
2026年6月からの初診料・再診料・外来管理加算
項目 | 改定前 | 2026年6月以降 | 変更内容 |
初診料 | 291点 | 291点 | 据え置き |
再診料 | 75点 | 76点 | 1点引き上げ |
外来診療料 | 76点 | 77点 | 1点引き上げ |
外来管理加算 | 52点 | 52点 | 据え置き・存続 |
初診料291点と再診料76点は、令和8年厚生労働省告示第69号の医科診療報酬点数表に明記されています。外来診療料は、一般病床200床以上の保険医療機関で再診を行った場合に77点を算定します。
初診料は291点で据え置き
初診料そのものは、改定前と同じ291点です。
ただし、2026年6月からは初診時に外来・在宅物価対応料2点を併せて算定できるため、通常の対面初診では、実質的には次のようになります。
初診料291点+物価対応料2点=293点
つまり、初診料の名称上の点数は変わっていませんが、物価対応料を含めると改定前より2点増加します。
再診料は75点から76点へ
診療所や一般病床200床未満の病院などで算定する再診料は、75点から76点に1点引き上げられました。
さらに、再診時にも物価対応料2点を算定できるため、外来管理加算を算定しない場合でも、基本的な組み合わせは次のようになります。
区分 | 改定前 | 2026年6月以降 |
再診料のみ | 75点 | 76点 |
再診料+物価対応料 | ― | 78点 |
したがって、物価対応料を含めた再診時の実質的な増加は、75点から78点への3点増となります。
外来管理加算は廃止されず52点で存続
外来管理加算は、一定の検査、処置、リハビリテーション、手術などを行わず、患者に対して計画的な医学管理を行った場合に、再診料へ加算する項目です。
令和8年度改定後も点数は52点で変更ありません。
改定前には、支払側から外来管理加算の廃止または他の管理料への包括化を求める意見が示され、財政制度等審議会の資料でも廃止・包括化が提言されていました。しかし、最終的な点数表では削除されず、52点が維持されました。
再診料・外来管理加算・物価対応料の合計
2026年6月以降、外来管理加算を算定できる再診では、次の組み合わせになります。
再診料76点+外来管理加算52点+物価対応料2点=130点
改定前は、
再診料75点+外来管理加算52点=127点
だったため、物価対応料まで含めると、合計は127点から130点へ3点増加します。
外来管理加算だけを見れば据え置きですが、再診料の引き上げと物価対応料の新設を合わせると、実際の請求額は変化します。
2026年に新設された「物価対応料」とは
物価対応料は、医療材料費、光熱水費、食材料費、委託費などの上昇に対応するために設けられた新しい評価です。
厚生労働省は、2026年度と2027年度の物価上昇に段階的に対応するため、基本診療料などと併せて算定できる項目として物価対応料を新設しました。
外来・在宅物価対応料
算定区分 | 2026年6月以降 | 2027年6月以降 |
初診時 | 2点 | 4点 |
再診時等 | 2点 | 4点 |
訪問診療時 | 3点 | 6点 |
物価対応料は、2027年6月以降に2026年の2倍の点数となる予定です。ただし、実際の経済・物価の動向が見通しから大きく変化した場合には、加算・減算を含む調整が行われる可能性があります。
「届出不要」と「自動算定」は別なので注意
物価対応料について、専用の施設基準届出は設けられていません。
一方で、届出不要だから何もしなくても自動的に診療報酬が支払われる、という意味ではありません。
外来・在宅物価対応料は、初診料、再診料、外来診療料、訪問診療料など、対象となる診療料を算定した場合に併せて請求できる項目です。レセコン側で算定項目が正しく登録され、レセプトに反映されているかを確認する必要があります。
クリニックが確認すべき実務ポイント
1.レセコンの改修・設定状況を確認する
初診時・再診時に物価対応料が正しく付与されているか、実際の会計画面とレセプトデータを確認します。
特に確認したいのは、次のケースです。
通常の初診
通常の再診
外来管理加算を算定する再診
小児科外来診療料などの包括点数
訪問診療
短期滞在手術等基本料1
物価対応料は初診料・再診料だけでなく、厚生労働省通知で定められた複数の包括的な診療料にも対応しています。
2.6月分レセプトの抽出点検を行う
改定直後は、数十件程度を抽出して次の点を確認すると安心です。
初診時に2点が付いているか
再診時に2点が付いているか
訪問診療時に3点が付いているか
算定対象外のケースへ誤って付与されていないか
外来管理加算が従来どおり算定されているか
設定漏れが長期間続けば、患者数の多いクリニックほど請求漏れの影響が大きくなります。
3.外来管理加算の算定実態を把握する
外来管理加算は今回の改定では存続しましたが、廃止・包括化を求める議論は続いています。
クリニック経営では、次の数値を定期的に把握しておくことが重要です。
月間再診患者数
外来管理加算の算定件数
再診患者に占める算定割合
診療科別の算定状況
外来管理加算が収益に占める割合
算定できなかった理由
将来的な制度変更に備えるためにも、外来管理加算だけに依存しない診療体制や収益構造を検討しておく必要があります。
まとめ
令和8年度診療報酬改定における外来診療の主要な変更点は、次のとおりです。
初診料は291点で据え置き
再診料は75点から76点へ1点増
外来診療料は76点から77点へ1点増
外来管理加算は52点で存続
初診・再診時の物価対応料として2点を新設
訪問診療時の物価対応料は3点
物価対応料は2027年6月以降、原則として2倍になる予定
特に重要なのは、初診料や外来管理加算が据え置きであっても、物価対応料を加えることで実際の請求点数が変わる点です。
外来管理加算を算定する再診では、合計点数が127点から130点へ増加します。制度内容を理解するだけでなく、レセコンへの反映、請求漏れの確認、算定状況の分析まで行うことが、改定対応の実務では欠かせません。
