【2026年診療報酬改定】ベースアップ評価料は2段階で拡充|賃上げの実態とクリニック経営への影響
- 3月23日
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公開日:2026年3月21日

監修:医療経営コンサルタント/ドクターエージェント 代表取締役 金田一成
結論:2026年改定は「実質的な賃上げ制度の本格導入」
2026年度(令和8年度)の診療報酬改定では、医療従事者の賃上げを目的とした「ベースアップ評価料」が大幅に強化されます。今回のポイントは明確です。
補助金 → 診療報酬へ
対象職種の大幅拡大
つまり、これまで一時的だった賃上げが、制度として定着するフェーズに入ったと言えます。
① 2段階で実施される賃上げ政策の全体像今回の改定は、以下の「2段階構造」で設計されています。
■ 第1段階:令和7年度(2025年度)
・給付金(補助金)による先行的な賃上げ支援
・医療機関の負担を抑えつつ賃上げ環境を整備
■ 第2段階:令和8年6月(2026年改定)
・診療報酬として「ベースアップ評価料」を大幅引き上げ
・恒久的な賃上げ財源へ移行
② 外来・在宅・入院すべてで大幅増点
特に注目すべきは、外来・在宅領域です。ベースアップ評価料が約2倍〜3倍に増点
これは単なる微調整ではなく、実質的には
「賃上げ原資を診療報酬で確保する」政策転換といえます。
■ 経営へのインパクト
・スタッフ給与の引き上げ余地が拡大
・採用競争力の強化
・離職防止(特に若手人材)
③ 対象職種が大幅拡大(ここが最重要)
今回の改定で最も大きな変化は、対象職種の拡大です。
従来は看護師・コメディカル中心でしたが、以下が新たに対象となります。
■ 新たに対象となる職種
・事務職員
・40歳未満の勤務医師・勤務歯科医師
・薬局の勤務薬剤師
・歯科技工士(技工所勤務含む)
④ なぜ対象が拡大されたのか(政策意図)
背景には、医療業界の深刻な人材課題があります。
■ 従来の問題
・事務職の給与が低く離職率が高い
・若手医師の待遇格差
・薬剤師・技工士の人材不足
今回の改定は、
「医療を支える全職種の賃上げ」へシフトした点が重要です。
⑤ 対象外となる職種(注意点)
一方で、以下は現時点では対象外です。
・40歳以上の勤務医師・歯科医師
・薬局の管理薬剤師など一部職種
年齢・役職による線引きがあるため、制度設計が重要
⑥ クリニック経営者が取るべき戦略
今回の改定は「取るか取らないか」で差が出ます。
■ 必須対応
・ベースアップ評価料の届出
・給与配分ルールの整備
・人件費設計の見直し
■ 攻めの戦略
・若手採用強化(40歳未満医師含む)
・事務スタッフの待遇改善
・離職率の低下 → 生産性向上
⑦ 今後の医療業界の流れ
今回の改定は単発ではありません。
今後は以下の流れが予測されます。
・賃上げの継続的な制度化
・評価料のさらなる拡充
・「人材確保できる医療機関」が勝つ時代
まとめ
2026年診療報酬改定は、単なる点数改定ではなく、
医療業界の給与構造を変える転換点です。
特に重要なのは以下の3点です。
2段階で賃上げを制度化
ベースアップ評価料は最大3倍
対象職種が大幅拡大
監修
本内容は、医療機関の経営支援・人材支援を行う現場の知見と、最新の診療報酬改定情報をもとに作成しています。
実際の運用にあたっては、施設基準や届出要件の確認が必要なため、専門家への相談を推奨します。
